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通潤橋の放水とともに熊本山都観光が大号砲 -後編-

団体旅行コラム|2020年3月16日

蘇陽峡の雲海

蘇陽峡の雲海

前回からお送りしている山都町特集の完結編。2020年4月、4年ぶりに「通潤橋」の放水再開を迎える山都町。大自然や伝統のお祭り、旬の味覚など、山都町の魅力をたっぷりお伝えいたします!

※この記事は、トラベルニュース様にご提供いただきました。

“九州のグランドキャニオン”は圧巻 滝めぐりに心癒やす

阿蘇山南外輪山から九州山地まで、山々と暮らしを営む山都町。

標高約700メートルの清和高原は、広々とした緑のじゅうたんが広がる。360度さえぎるものがない空間には「清和高原天文台」がたち、日本有数の星空観察スポット。灯りが少なく清澄な高原は満天に星空が広がり、訪れた人からは感嘆の声が。冬にはこたつに入っての星空観察など季節に応じて様々な企画も実施しており、星の世界に浸れる。観測室には口径50センチのニュートン式反射望遠鏡を備え、誰でも天体観測が可能。昼間や雨天時は宇宙や星に関する映像が鑑賞できる。キャビンによる宿泊施設「清和高原の宿」も併設。泊まってゆっくりと星空観察に臨むのがおすすめだ。合宿利用も多く、旅行会社対応もあり。

国名勝、県天然記念物に指定され、落差が50メートルある五老ヶ滝 町内を流れる五ヶ瀬川を上流へ進んでいくと「九州のグランドキャニオン」と呼ばれる蘇陽峡がある。高さ200メートルにおよぶ絶壁が10キロも続く大渓谷。全国的にも珍しい巨大なU字谷渓谷はダイナミックで、その圧倒的な迫力は、一見、いや必見の価値あり。遊歩道や展望台を備え、長崎鼻展望台からは峡谷を一望できる。秋は紅葉の一大スポットとして賑わい、冬には運が良ければ雲海も。絶景をバックにしたカヌー体験も人気のアクティビティ。

清流・五ヶ瀬川が流れる山都町は“水のまち”でもある。自然の中へ分け入れば滝が点在する。五老ヶ滝は町内最大規模の滝で、国名勝、県天然記念物にも指定。落差50メートルで滝つぼへ落ちていく水流は迫力とともに荘厳さも感じさせる。滝の対面に架かる吊り橋からは全景が眺められる。通潤橋まで遊歩道も整備されており、棚田の風景を眺めながら、山都観光に欠かせない散策スポット。上下2段構えの滝「鵜の子滝」や、2条に分かれた幻想的な「聖滝」も必訪の地。

“かあちゃんシェフ”の味を堪能

「そよ風パーク」は阿蘇五岳を遠望する16ヘクタールの広大な敷地を有する道の駅。宿泊も可能、アスレチックやトレッキングコースも備えた自然型テーマパークで、山都観光の拠点の一つ。

レストランマアムのランチバイキングは、採れたての山菜や野菜を地元の“かあちゃんシェフ”が腕によりをかけて調理した料理が30種以上並ぶ。素材の入荷具合や日によってメニューが異なり、きんぴらや里芋の田楽など郷土・田舎料理が観光客や地元住民の人気を呼ぶ。料金は大人1200円で、ドリンクバーは200円。

また、コテージや囲炉裏のある田舎山荘、ホテルを備える。ブルーベリーや野菜の収穫、クラフト体験など様々な体験プログラムもあり、宿泊してじっくりと楽しめる。
  

そよ風パーク
【TEL】0967-83-0880
【住所】熊本県上益城郡山都町今297
【ホームページ】https://s-kaze.jp/

高天原神話発祥の地の荘厳さ 今年は「五色神大祭」の年

山都町の山間に静かにたたずむ幣立(へいたて)神宮。ガイドブックにも採り上げられ、全国から参拝客が訪れる。実は「天孫降臨」物語発祥と言われる由緒ある地で、九州のへそに位置する「隠れ宮」として1万5千年の悠久の歴史を紡いでいる。

いわゆる国初めの高天原神話発祥の地へは、150段ほどの石段を上ると開ける。神漏岐命・神漏美命(かむろぎのみこと・かむろみのみこと)の二柱を祭神とし、本殿は静かながら悠然と構えている。二柱が降臨したと伝わる神木であるヒノキの大樹の命脈は1万5千年とされ神気が漂う。近年パワースポットとしてにわかに注目を集め出したのも納得の佇まい。

今年8月23日、5年に一度の「五色神大祭」が開催される幣立神宮 5年に一度開催される「五色神大祭」は、五大陸の神を祀るというもので、その壮大さで知られる。年に一度の「五色神祭」の大祭にあたり、今年2020年がまさに開催年。8月23日は大きな賑わいに包まれる。

幣立神宮
【TEL】0967-83-0159
【住所】熊本県上益城郡山都町大野712
【参拝時間】10時~16時(参拝自由)
【駐車場】10台

ランチバイキングやジビエで旬を味わう

山都町は清涼な空気、清澄な水がもたらす山の恵みの宝庫。旬の野菜や山菜、川魚、肉など、この地だけ、ここでこその味わいに満ちている。

棚田で育てられた米は、アイガモ農法や湧水を使って育成した「湧水米」などがあり、矢部地域では室町時代からの伝統食でうるち米を使った「焼き米」も。野菜は標高500−700メートルの高冷地でトマトやナス、キャベツ、ピーマンなどを生産。長い歴史を持つ柚子や最近はブルーベリーも様々な加工品が誕生している。秋には寒暖差の大きい環境ならではの大粒の栗が旬を迎える。清流に育まれたヤマメも極上の逸品だ。

【通潤山荘】 天然温泉「浜の湯温泉」が自慢の山都の宿泊拠点。人気企画「里山ランチバイキング」は山都産の野菜を中心とした40種類以上の料理を味わえる。土日曜はフルバイキングで、料金は大人1200円。平日はメーン料理を選ぶハーフバイキングスタイル。団体は平日でもフルバイキングで対応する。

通潤山荘
【TEL】0967-72-1161
【住所】上益城郡山都町長原192-1
【アクセス】山都中島西ICより国道445号線約15分、松橋ICより国道218号線約45分。熊本交通センターよりバスで90分
【駐車場】乗用車150台 大型バス5台 身障者スペース4台  ※無料
【送迎サービス】マイクロバス(28名乗り)、ワゴン車で送迎可(各1台) ※要予約
【ホームページ】http://tsujun-sanso.jp/
宿泊の夕食はヤマメや肥後牛など地元素材の会席など幅広いメニュー。大浴場は山々を眺めながらの露天風呂、あつ湯、ぬる湯、サウナを備える。泊まってゆっくりと旅の疲れを癒したい。

山都産の野菜を中心とした40種類以上の料理が並ぶ通潤山荘のランチバイキング 【肉のみやべ】 日向往還の旧宿場町・馬見原で昭和元年から和牛と馬刺し専門店として、厳選の肉を提供し続けている。黒毛和牛や馬刺し、馬ひもはもちろんだが、観光客におすすめは食べ歩きメニュー。「桜コロッケ」は馬肉をふんだんに使い、黒コショウでアクセントをつけた味わいで、しっかりした味付けはソース不要。味もボリュームも満足感十分で、テレビ番組でも取り上げられるなど人気を集める。桜コロッケと地元産野菜を挟んだ「馬見原バーガー」や「桜味噌メンチ」もあわせてどうぞ。

肉のみやべ
【TEL】0967-83-0032
【住所】熊本県上益城郡山都町馬見原61-3
【定休日】水曜日 ※祝祭日は、水曜でも営業
【お食事処】営業日:金・土・日・月曜日、祝日
昼ごはん 12時~14時
夜ごはん 17時~22時
【駐車場】5台
【ホームページ】https://298-miyabe.com/
【ジビエ工房やまと】 この地域では年間でイノシシとシカをあわせて約5千頭が捕獲されるが、そのうち同店では800頭超を精肉やミンチ肉に加工している。素早い血抜きなどの対応でジビエ特有の臭みがない。ロースやモモ肉、ウインナーなどの製品を用意しており、「清和物産館」などで購入できる。

ジビエ工房やまと
【TEL】0967-73-4429
【住所】熊本県上益城郡山都町米生294-3
【みずたまカフェ】 静かな山中にたたずむカフェは、山都の自然に魅入られたオーナーが埼玉県から移住し、自ら建設した山都への思いが詰まったこだわりの場所。全面ガラス張りで、阿蘇南外輪山や阿蘇五岳を眺められる。ランチは米や卵、ソーセージ、野菜など山都産にこだわった「山の都ピクニックランチ」やピザ、サンドイッチなど充実。デザートも矢部地区の矢部茶のガトーショコラなど、とことん山都を押し出す。地元の作家が作った雑貨や食品も販売。山都の魅力の発信拠点としての役割も担う。

みずたまカフェ
【TEL】0967-82-2685
【住所】 熊本県上益城郡山都町尾野尻819-2
【定休日】火・水曜日
【営業時間】11時〜日没
【定休期間】2月中旬〜3月中旬
【駐車場】数台あり
【ホームページ】https://www.mizutama-cafe.com/

酒蔵見学や江戸建造の蔵でじっくりと

通潤酒造は市中心部にある往時の宿場町・浜町に立地する、1770年創業の老舗。伝統の地酒は山都の米と水を使い、山都の人がつくるという、山都への徹底的なこだわりから生まれる。

特に高級酒は山都産の米一本。稲づくりからこだわった米と阿蘇の水を匠の技で芳醇な味わいに仕上げた。純米吟醸酒「蝉」は上品で深みのある味わいが特徴。

酒蔵見学はスタッフが蔵の中で酒造りについて約30分で案内し、料金は無料。10人以上の団体は要予約。売店では試飲もできる。案内時間は9時−16時30分。お盆、年始、第2、4日曜休。

敷地内にある「寛政蔵」は江戸時代寛政4年(1792)建造の貯蔵用の酒蔵をリノベーション。熊本地震で被害を受けたが、熊本県内最古の蔵を“おもてなしスペース”として復活させた。

蔵内は地酒をじっくり楽しんでもらおうとあえて有料に。テーブル、ソファ、縁側など多彩な空間で、利き酒セットや甘酒がゆっくりと味わえる。貸切利用もでき、清和文楽と新酒を楽しむイベントも企画した。

寛ぎの空間「寛政蔵」

通潤酒造
【TEL】0967-72-1177
【住所】熊本県上益城郡山都町浜町54
【定休日】第2・4日曜日
【営業時間】9時〜17時
【駐車場】あり
【ホームページ】https://tuzyun.com/

山都中島西ICで町内へ乗り入れ 今後も延伸

山都町への陸路は熊本県と宮崎県、九州の中央部を東西に結ぶ計画の九州中央自動車道延岡線が走る。2018年12月、御船町・小池高山IC−山都町・山都中島西IC間10・8キロが開通。山都へのアクセスが至便になった。

これで熊本県を走る九州自動車道とのつながり、通潤橋へは福岡県太宰府や熊本県水俣からは約1時間強、鹿児島県からは約2時間強とこれまでより時間は短縮された。嘉島町・嘉島JCT−山都中島西ICは無料区間。

九州中央道は、嘉島JCT−宮崎県・延岡JCTを結ぶ約95キロの計画。山都中島西ICからは矢部IC(仮称)までの開通を目指して整備が進められている。

九州の新たな魅力が詰まったまち

この取材で一番感じたのは、山都町にはまだまだ知られていない自然・伝統・食があり、九州の新たな魅力が詰まった場所ということでした。

最初に目を引いたのは、稲刈りが終わった棚田の一部が黄金色に輝き、周囲の棚田の緑とのコントラストがとてもきれいだったことでした。田植えのころは棚田に水がはり、また違った景観が広がるのだろうと思わず想像しました。阿蘇五岳の見える壮大な風景、どこまでも続く渓谷など大自然に吸い込まれそうな絶景スポットもたくさんありました。

実は今回、雨続きの取材で、写真で見るような鮮やかな風景は眺められませんでした。しかし蘇陽峡で雲海を見た時は、天気の良くない日でも大自然が織り成す風景は想定外で、その時その時にしか楽しめない景色があることを実感しました。

地元野菜をたくさん使った郷土料理や家庭料理も豊富にありました。景色同様、四季折々の旬な食材を使った料理が楽しめるのは、とてもぜいたくで魅力的です。野菜が多く生産されているのも山都町の特徴で、有機農業をするために移住される方も多く、これも魅力の一つではないでしょうか。

取材中、訪問する先々で山都町に暮らす若い方々のパワーも感じました。伝統文化や地域発展などに熱い想いを持ち、それぞれ取り組んでいる若い方々の姿が力強く、印象的でした。県外から移住される方も多く、山都町の豊かな自然に魅力があるのはもちろん、地元の方々が住みやすい環境を作り出し、温かく迎えていることで新たな町の発見・発展へ繋がっていることを感じることができました。

通潤橋が再び放水ができる日をきっかけに、ゆったりと温泉につかりながら、魅力が盛りだくさんの山都町を多くの方に歩いてもらい、素晴らしさを実感していただきたいと思います。