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熊本県水俣 目の前に不知火の海が広がるホテルの“名物おじさん”吉海哲也さん|湯の児 海と夕やけ

おすすめの宿|2019年10月1日

レストランで接客する吉海 哲也さんの写真

いつも笑顔で接客される吉海 哲也(よしがい てつや)さん

今回ご紹介するのは、スタッフもお客さんも笑顔溢れる海辺のホテル「湯の児 海と夕やけ」の料飲部マネージャー、吉海 哲也(よしがい てつや)さん。目の前15m先に広がる不知火(しらぬい)海の海と空が宿泊者の心をとらえて離さないこのホテルには、多くのリピーターを抱える“名物おじさん”吉海さんの笑い声がたえずこだまする。そんな吉海さんに、意外な経歴をお伺いしました。

「これまでサービス業の経験はゼロでした」

ーー今日はよろしくお願いします。

吉海 ありがとうございます。よろしくお願いします!

ーーさっそくお元気な第一声ではじまりましたね(笑)。こちら、事前の情報で、吉海さんが「湯の児 海と夕やけ」の名物おじさんと伺っておりますが、早くもそんな予感がしております(笑)。

吉海 あははは! 恐縮です(笑)。

ーー失礼ですが吉海さんはおいくつですか?

吉海 61才です。今年62になります。

ーーいつから「湯の児 海と夕やけ」にお勤めなんですか?

吉海 オープン当時からですから8年になりますかね。

ーーということは、8年前に転職されたということですが、それまでどういったキャリアを積んでこられたんですか?

吉海 サービス業というのはゼロでした!

ーーえーっ!?

吉海 東京でサラリーマンをやっておりました(笑)。8年前に東京から戻ってまいりました。

ーーご出身がこちらなんですね。

吉海 水俣です。東京には単身赴任で30年ほど行っておりました。

ーーサンジュウネン!?

吉海 はい!

ーーひゃー。それは大変でしたねぇ。

吉海 高校卒業して福岡に行きまして、就職して結婚して、それから東京に転勤になりました。

ーーあ、なるほど。福岡の会社に就職して、東京への転勤命令が出たんですね。

吉海 そうですそうです(笑)。

ーーどういったお仕事をされていたんですか?

吉海 会社の法人税とかのですね、セミナーをやっておったんです。会場を押さえて、税務の先生を招いて、企業の経理や総務の方々にお越しいただくという。その総務をやっておりました。

ーーサービス業からは遠いですね(笑)。

吉海 そうですね。

ーー東京と福岡では、ご家庭に戻るのも大変じゃないですか。

吉海 最初は一週間に一回、福岡に帰っていたんですけど、それがだんだん一ヶ月に一回になり、お盆と正月だけになり……。

ーーそれは寂しい……。でも、そういう業種だったら、どうしても東京がメインのマーケットになりますよね。

吉海 やはりシェアが違いますからね。

ーーきっと、どんどん東京支社が大きくなっちゃいますよね。

吉海 そうですそうです。

ーーお子さんはおられたんですか?

吉海 娘がひとりいます。幼稚園の時に私は単身赴任に出ました。

ーーそのセミナーの会社はいつ辞められたんですか?

吉海 55になる前でしょうか。実はその会社が倒産しまして。

ーーあ、そうなんですね。

吉海 家族は福岡にいたのですが、娘が、「お父さん、もう潮時よ。ばあちゃんの面倒をみるために、みんなで水俣に帰ろうよ」と言ってくれまして、それで帰ってきたんです。

ーーうーん、グッときますねぇ。

吉海 それで仕事しなきゃなって、ハローワークに行って職を探していたら、この「湯の児 海と夕やけ」に巡り会いまして。

ーーあ、誰かのツテとかではなく、ハローワークからだったんですね。

吉海 そうです。

ーーゼロからじゃないですか。

吉海 自分で探しました。でも観光の仕事はしたかったんですよ。

ーーあ、そうなんですね。でもですよ、吉海さんの経歴や年齢を考えると、なかなかハードルが高いですよね。

吉海 そうですね。

ーーいやー、よかったですねぇ。

「子どもから手紙やイラストをもらったりすると涙が出てきます」

レストラン ゆうひの写真

吉海 それで最初は設備で雇われまして。

ーー設備?

吉海 お部屋の清掃ですとか、そういった業務で雇っていただきまして。それがレストランのほうが人手が足りないということで、「吉海くん、レストランのほうに来てくれる?」と声をかけていただきまして、それでレストランに入った次第です。これも巡り合わせだと思っています。

ーー設備の部署にはどれくらいおられたのですか?

吉海 2週間くらいです。

ーーあ、じゃあオープンまもなくなんですね。慣れない接客に不安はなかったんですか?

吉海 不安はありましたけど、やってみて、「あ、これはええわ!」と思いました。

ーーわー、それは素敵ですね。

吉海 自分が楽しいということは、お客様も楽しいはずだ、自分が笑えばお客様も笑ってくれるはずだと思っております。

ーー哲学ですねぇ。

吉海 それで今日に至るという感じです(笑)。

レストラン ゆうひの写真

ーー接客はどこが楽しいんですか?

吉海 お客様の旅には目的があると思うんですよね、そのお手伝いができるということです。例えば旅行中にお誕生日を迎えられたとすると、「ハッピーバースデー」を歌って差し上げて、ケーキをお出しします。それでお客様から「ありがとう。いい思い出になりました」と言ってもらえれば、私は最高の気分になります。

ーーなるほど。

吉海 それから逆にお客様がゆっくりしたいという目的を持っておられたとしたら、声のトーンや話し方も変えます。

ーーへー。

吉海 それから、こういうこともありました。ご家族で毎年お越しいただいている常連さんがおられるのですが、「あれ、おじいちゃんはどうされましたか?」と声をかけましたところ、写真があってですね、「去年の秋に亡くなりました」とおっしゃるんですね。「おじいちゃんはここが好きだったので」ということでお越しになったんですね。

ーーなるほど。

吉海 それでおじいちゃんのお写真をテーブルに置かれていました。そういう時ですと、そっとおじいちゃんが好きだった飲み物や陰膳をご用意したりします。どういう場面であったとしても、少しでもお客様のお役に立てればなと思っております。

ーーやはりお客さんは、それぞれのストーリーを持って「湯の児 海と夕やけ」に来られるわけじゃないですか。

吉海 そのとおりです。

ーーなので、通り一遍のサービスではお客さんの心には伝わらないわけで。

吉海 そうです。

ーーそれはきっと、これまで色々人生経験を積んでこられた吉海さんだからできることかもしれませんね。

吉海 どうなんでしょう。でも私はお客様の「ありがとう」が聞きたいだけで(笑)。

ーー天職ですね。

吉海 そう言っていただければ(笑)。

ーーそんな吉海さんは子どもにも人気があるそうで。

吉海 「ハゲのおじちゃん!」って子どもたちに呼ばれています(笑)。

ーーあはは。

吉海 でも子どもから手紙やイラストをもらったりすると涙が出てきますね。

ーーいいですねぇ。

吉海 私は、「笑ったらお腹が空く、お腹が空いたら美味しく感じる」というのを心がけております。だからお客様に笑ってもらおう笑ってもらおうと思っています。「笑う門には食来たる」です。お客様が笑ってくれたら、私、ガッツポーズしちゃいますもん(笑)。

ーーあはは。

吉海 やっぱり不機嫌に食べるよりも、笑いながら食べたほうがいいじゃないですか。

ーー吉海さんのファンは、吉海さんから元気をもらって帰るんでしょうね。

吉海 そうだったら嬉しいですね。

ーー逆に吉海さんもお客さんから元気をもらっているんだと思います。

吉海 そのとおりです。

ーーいいことづくめだ!

吉海 そうですね(笑)。

夕やけの素晴らしさに、テーブルからは歓声があがることも

夕食バイキングのお刺身などの写真

ーーここで「湯の児 海と夕やけ」のこともお聞かせください。

吉海 まずはなんといってもバイキングですね。地産地消というんでしょうか、地元の新鮮な食材をたくさんご用意しております。特にお刺身なんかは大人気です。

ーー家族連れなんかはバイキング形式は嬉しいですよね。子どもが好きなものを選べますし。

吉海 ご家族連れが多い季節になりますとキッズコーナーを設けたりします。

ーーそれはいいですねぇ。あと、温泉も評判のようですね。

吉海 泉質が柔らかくて、肌がスベスベになったとよく言われます。リウマチやキズにも効くのですが、とにかくみなさん疲れが取れるとおっしゃいます。

ーーあと、「湯の児 海と夕やけ」というくらいですから、眺めはいいんでしょうね。

吉海 最高ですね! レストランにはカーテンがあるんですよ。で、18時オープンの時はカーテンを閉めているんです。

ーーはい。

吉海 それでしばらくすると、「オープンします!」という掛け声とともに、ガーッとカーテンを開けるんです。そうすると歓声が起こりますね。それが楽しくて楽しくて!

ーー吉海さんも楽しんでおられますね(笑)。

吉海 最高です! 本当に「海と夕やけ」なんです。

ホテルから見える夕日の写真

ーー個人的に気になるのはタチウオ釣りですね。

吉海 みなさん、朝早くあるいは夕方に釣りに出かけられます。「たくさん釣れたよ!」という声があれば、こちらで捌いてご提供します。

ーーいいなぁ、楽しそう。

吉海 あとは夏場ですと海水浴も楽しめます。ビーチが遠浅なのでお子さんも安心して遊べます。

「水俣から発信して、県南、熊本県、九州、そして全国へと湯の児 海と夕やけの魅力をPRしていきたい」

湯の児 海と夕やけの全景写真

ーーなんでも、スタッフ間の関係もとてもよいとのことですが。

吉海 地元の方中心で、こちらの方言で通じますし、みんな笑顔でハキハキとしてて、人一倍お客様を大切に考えてくれています。

ーー地元の雇用を心がけているとか。

吉海 そうですね。地元雇用を最優先に考えています。年が明けましたら地元の高校生が入ってきます。

ーーいいですね。都会に行かずとも、地元にやりがいや夢のある職場があるというのは。

吉海 そのためにも「湯の児 海と夕やけ」がしっかりして、地元の若い方々が「あそこで働きたい」と思ってもらえるような会社になりたいですね。

ーー吉海さんから見て、他に「湯の児 海と夕やけ」の魅力はありますか。

吉海 「田舎」ですね。田舎だからこそお客様にゆっくりしていただけると思っております。

ーーそれは都会にいたら、お金をかけてもなかなか得られないものですからね。今後、「湯の児 海と夕やけ」はこうなっていけたらいいなというのはありますか?

吉海 やはり水俣から発信して、県南、熊本県、九州、そして全国へと「湯の児 海と夕やけ」の魅力を精一杯PRしていきたいですね。

ーー最後に吉海さんの展望をお聞かせください。

吉海 私はお客様とお話ができて、「また来たよ!」「ありがとう!」といったお言葉をいただけるなら、私は杖をついてでもお迎えしたいしお見送りしたいと思っております。「おじいちゃん、そこ、邪魔!」って言われながらも頑張ります(笑)。

ーーあはは、お体にお気をつけて頑張ってください。今日はどうもありがとうございました。

吉海 ありがとうございました!

湯の児 海と夕やけ
【TEL】0966-62-6262
【FAX】0966-62-6263
【住所】熊本県水俣市大迫1213